空が高く、風が爽やかに感じられる秋。

いい季節となりましたね。

暑くも寒くもなく、
呼吸がしやすい上に、
空気まで美味しく感じられ、
朝、窓を開ける時、
散歩している時、
ふと秋空を見上げた時など、
呼吸の心地よさに
気付くことが多くなっています。

スポーツの秋、
読書の秋、食欲の秋に、
「呼吸の秋」を加えたい気分です。

ヨガでは、呼吸法のことを
「プラーナヤーマ」と言います。

プラーナとは目には見えないものですが、
この大気中にあって、
生きているもの全てに宿っていると
考えられている
微細な生命エネルギーのこと。

宇宙の全てを構成している要素であり、
生きる根源、つまり生命力そのもの。

日本語に置き換えると、
プラーナとは
「気」という言葉に相当するかと思います。

元気、やる気、勇気などの「気」ですね。

このプラーナがあるおかげで、
私たちは生きていくことができています。

また、「アーヤーマ」とは、
「静止する・伸ばす・広げる・ コントロールする」
という意味で、
繋げて、
「プラーナーヤーマ(プラナヤマ、プラナヤーマ)」
となります。

直訳は呼吸法、調気法で、呼吸の制御、
そしてプラーナの
コントロールの技法ということなのですが、
そこには、瞑想に入っていくための意識操作、
準備という意味も含まれています。
(この瞑想に向かう段階については、
また別の機会にでも。)

プラーナは、
体だけでなく
感情や生理機能にも影響しています。

呼吸が深くなると、
プラーナがたくさん取り込まれて、
体がよく動いて、
なんだか気持ちいいなと幸せな気分になり、
呼吸が浅くなると、
プラーナが不足して、
元気が無くなったり、
疲れてしまい、
気分まで落ち込んでしまう。

「気」の流れがいい場所や、
良い「気」に満ちている人や食材など、
なんとなく感じられたことも
あるのではないでしょうか?

これはきっとプラーナが滞りなく流れている場所や、
プラーナに満ちている人や食材のこと。

私たちはそんな目に見えないものに大きく影響を受けながら、
生きています。

ヨガの聖典の一つ、
「ハタヨガプラディピカー」に、
ヨガはプラーナの詰まりを解消し、
全身に巡らせることで、
心と体の健康を目指す
テクニックであると書かれているように、
ヨガをするにあたって、
まず大切なことは、
やみくもに難しいポーズにチャレンジするのではなく、
日々の呼吸を意識し、
心身にプラーナを取り入れて、

心身にめぐらせていくこと。

それが、私たちの体を軽くし、
思考をクリアにし、
行動を前向きにしてくれます。

空気まで美味しく感じられるこの季節、
身体の隅々にまで
新鮮なプラーナを満たしていくようなイメージで、
呼吸を味わってみてください。

きっと、スポーツも、読書も、
食欲(節度のある体に良い食欲のはず!)も、
いっそう楽しめる秋になると思います!

心地のよい呼吸とともに、
素晴らしい秋を。

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柳原 愛

ヨガアライアンス認定 RYT 500 ヨガインストラクター
日本ヨガメディカル協会認定 ヨガセラピスト

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