あっという間に12月ですね。

3月から連載を始めて、今回でちょうど10回目になります。
いつもお読みいただき、ありがとうございます!
ねんどの化粧品ボディクレイの望月です。

先日がいあ御茶ノ水店さんで久しぶりに店頭販売をしました。
多くのお客様とお話ができ、とても良い時間となりました。
驚いたのは、この「ねんど日和」を読んでくださっていると言うお客様がお声をお掛けてくださったこと!
こんな風に毎月書いてはおりますが、実際に読んでくださっている方がいると思うと感動します。


*手書きのPOPが可愛い


閉店後のがいあさん  看板に「ねんどのフェイスソープ」が!

さてさて、せっかくの10回目ですから、ちょっとロマンのある粘土のお話を。

「人は粘土の子供?」というタイトルでNature(ネイチャー)誌の書評に紹介され注目を集めた
ケアンズ・スミス「遺伝的乗っ取りと生命の鉱物起源」では、進化論の法則を分子レベルに拡大して考察し、
遺伝情報を伝えるDNAより、もっとずっと原始的な〝鉱物の遺伝子前駆的”があったと伝えています。
進化するために必要な遺伝メカニズムは、
鉱物などに普通にみられる結晶が作られる時の自己複製能力を引き継いだものであると主張し、
その結晶が何かと特定したものではありませんが、
もっとも有力と言われているのが粘土鉱物(結晶鉱物とも言われています)であることが述べられています。

つまり、複製することを粘土から学び、進化をとげ今の私たちがいる。

そう考えると私たちの親は粘土??なのかもしれません。

粘土が生命の起源に関わっている説は他にもあります。

生命の構成元素で酵素やタンパク質を形成するのに不可欠なアミノ酸。
比較的簡単に合成されるアミノ酸ですが、非常にデリケートで紫外線や熱ですぐに分解されてしまいます。
そんなアミノ酸にとって、シェルターのような役割をしたのが粘土鉱物。
粘土がアミノ酸を抱きかかえ、外界からの刺激から守ったと言われています。
有機物である生命を無機物である粘土が育む。
そんな有機物(人間も含む)と親和性を持つ鉱物は他にありません。

そして、昨今では地球外生命の手がかりとしても、粘土鉱物が注目されています。
宇宙の探査が進み、粘土鉱物は地球以外の惑星にも存在することが分かっています。
2019年5月には火星の地質調査を続けている無人探査車「キュリオシティ」が、
大量の粘土鉱物を発見したことが話題になりました。

岩石が水と反応してできる粘土鉱物の存在は、生命活動に必要な水がその惑星にあったことの証拠なのです。
さらに様々な物質を吸着する粘土鉱物だからこそ、その組成を調べれば、その水がどんな水質だったかが分かると言うのです。
粘土鉱物の層間には様々な情報が記憶されているのです。

火星から運ばれてきた粘土鉱物を分析した結果、
火星に存在した水は、ナトリウムと塩素を主成分とした塩水で、
その塩濃度は地球の海水の約3分の1、ミネラル豊富でpH値は中性という、
生命を育むのに適した水質であったと発表されました。

粘土鉱物がもたらす、生命の起源説、
さらに粘土を通して地球外生命の確実な証拠が出てくるのも、そう遠くないかもしれませんね。

今年一年、本当にありがとうございました!
古くて新しい素材、粘土の可能性はまだまだ続きます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

オマケ

先日紅葉を見に鎌倉へ行きました。
写真は鎌倉宮と瑞泉寺です。

*鎌倉宮

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